事業承継支援

平成27年度 第2回ミライミーティング開催報告

平成27年8月29日(土)、「平成27年度 第2回ミライミーティング」を実施いたしました。

京都後継者マッチング事業概要・登録方法説明について

まずは、京都中小企業事業継続・創生支援センターより、京都後継者マッチング事業の事業内容や実績および今回幹部候補生を募集している有限会社村山刺繍店様についてご説明させていただきました。

当センターが主催する「後継者マッチング事業」は、主に起業家の方を対象に、下記の2種類の募集を案内しています。

  • 1.後継者がいない中小企業に、後継者希望の起業家等を紹介する
  • 2.経営幹部を求めている中小企業に、経営幹部希望の起業家等を紹介する

今回の説明会は、「2」の経営幹部候補の募集を行い、6名の方々にご参加をいただきました。以下、説明会の概要をご紹介いたします。

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会社・経営幹部候補募集の説明・質疑応答について

有限会社村山刺繍店の代表取締役社長:村山昭治様より、①会社の歴史、刺繍や染織業界の現状、②事業内容、③後継者募集についてご説明いただきました。

02

① 会社、刺繍や染織業界の歴史・現状

刺繍や染織は、昔は徒弟制度で職人が育つ世界であり、業界全体では後輩が育たず、職人の高齢化が進んでいるという現状がある中、有限会社村山では、外注を利用し、社内で製造から販売までを一貫して行うなどの工夫を凝らすことで、給与を支払いながら後輩を育成するしくみができているというお話をいただきました。また、職人の育成は一般的な染織・刺繍の企業が実施している方法と異なり、社内で友禅や地染など一通り行うことができる多能工職人を育成し、制作の効率化を行っているというお話をいただきました。

② 事業内容

従来の営業ルートは問屋向けが主体であったが、時代の流れとともに着物小売店との直取りを開始し、現在では、糸の染織から、新しい織りや染めの技術の研究、デザイン制作、染め悉皆(しっかい)に至るまで、初めの工程から着物の制作が可能とのことです。特に、創業当時から行っている刺繍については、本格的な手刺繍の技術が他社には真似できないという特徴を持っており、今後、業界全体では廃業が進んで職人不足となる中で、生き残っていくための社長の強い思いが感じられたと共に、「織りと刺繍に関してはなんでもやりたい」と、新しい挑戦に対する思いを語っていただきました。

③ 後継者募集

幹部候補の後継者には、まずは入社後3年程度で営業業務の流れや外注先とのやりとりを覚えてもらう一方で、製品制作の技術についても一通り体験して基礎を覚えていただき、将来的には次期社長の右腕として営業部門を支えていただきたいという期待をお話いただきました。また今回の求人条件が、経験不問とした背景には、経験がないほうが、ノウハウを引継ぎやすいことを挙げておられました。代表の村山様からは、小売屋さんと意思疎通ができるようになるまでが難しい、想像力が必要な仕事ですが、覚えていき、コツが分かれば大変おもしろい仕事とのお言葉をいただきました。幹部候補者への具体的な説明は、ご子息である次期社長の村山裕俊様より、ご説明をいただき、営業の雰囲気や一日の業務の流れなど、就職後のキャリアがイメージしやすい内容でした。

質疑応答では、会社のこれからの営業の方針や、求められる人材像についてなど、今後の採用にあたっての質問が上がり、交流や理解を深めていただくひとときとなりました。

03

*おわりに

京都中小企業事業継続・創生支援センターでは、事業承継問題解決に向けて様々なセミナーやマッチングイベントの開催を予定しています。事業承継対策事業の開催概要・予定については、『京都起業・承継ナビ』をご覧ください。